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JIS統廃合による新案

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JIS統廃合に伴い大幅に仕様刷新 
部位に適した塗装仕様を策定 
建築工事標準仕様書 JASS18

日本建築学会は「建築工事標準仕様書」を改定したことに伴い、3月9日、建築会館で「建築工事標準仕様書・同解説JASS18塗装工事」改定講習会を開催した。編集を務めた同会材料施工委員会の本橋健司委員長(芝浦工業大学教授)は、「JISの統廃合や環境問題により塗装に対するニーズも変わっている。どういう部位にどのような塗装仕様が適切かを鑑みた上で改定を行った」と説明。当日は業界関係者約100名が講習会に参加した。

今回の改定のポイントとなったのは、JISの統廃合に伴う対応。工場JISから製品JISへと制度変更したことに伴い、塗料関連JISも大幅に減少しており、今回の仕様改定に際し製品の流通量や使用者の必要性の是非など、各方面にアンケートを行うなど、環境への配慮を含め実態を踏まえた改定を行った。素地面別の改定内容の要旨は下記の通り。

◇金属系素地面塗装
金属系素地面塗装の適用仕様は、合成樹脂調合ペイント塗り(SOP)、フタル酸樹脂エナメル塗り(FE)、2液形ポリウレタンエナメル塗り(2-UE)、弱溶剤系2液形ポリウレタンエナメル塗り(LS2-UE)、アクリルシリコン樹脂エナメル塗り(2-ASE)、弱溶剤系アクリルシリコン樹脂エナメル塗り(LS2-ASE)、常温乾燥形ふっ素樹脂エナメル塗り(2-FUE)、弱溶剤系ふっ素エナメル塗り(LS2-FUE)、つや有合成樹脂エマルションペイント塗り(EP-G)の9仕様。

一方で従来仕様のアルミニウムペイント塗り(AIP)、アクリル樹脂エナメル塗り(AE)、2液形エポキシ樹脂エナメル塗り(2-XE)、多彩模様塗料塗り(EP-M)は需要の減少、JISの廃止及び廃止予定にあることから廃止となった。
また既存仕様の修正も行った。

SOP及びFEは、屋内向けに水系塗料の仕様が増加していることもあり、屋外の鉄鋼面に限定。加えて亜鉛めっき鋼面は除外した。
2-UE、2-ASEは、下塗りに用いるエポキシ樹脂系雲母状酸化鉄塗料(JIS K5555)が廃止されたため、メーカーへの製造継続を確認した上で、JISに準拠する形で日本建築学会規格JASS18 M-112を策定。仕様として残した。

建築学会規格JASS18 M-406を持つLS2-UEは、JIS K5658(建築用耐候性上塗り塗料)に2液形ポリウレタン樹脂塗料を含むことから、JASS規格を廃止し、JISへ移行させた。
今回、新設となったLS2-ASEは、アクリルシリコン樹脂エナメル塗りに準じた弱溶剤系仕様。2-FUEは、JIS K5659(鋼構造物用ふっ素樹脂塗料)をJIS K5658(建築用耐候性上塗り塗料)の2液形ふっ素樹脂塗料に変更するなど、下塗りも含め材料規格の変更を行った。

画像の説明

LS2-FUEは常温乾燥形ふっ素樹脂エナメル塗りに準じた弱溶剤系仕様として新設。EP-Gは、下塗り塗料としてJIS K5674(鉛・クロムフリーさび止めペイント2種〈水系〉)を追加した。
◇セメント系素地及びせっこうボード素地面塗装
セメント系素地面塗装の適用仕様は、2液形ポリウレタンワニス塗り(2-UC)、アクリルシリコン樹脂ワニス塗り(2-ASC)、常温乾燥形ふっ素樹脂ワニス塗り(2-FUC)、アクリル樹脂系非水分散形塗料塗り(NADE)、2液形ポリウレタンエナメル塗り(2-UE)、弱溶剤系2液形ポリウレタンエナメル塗り(LS2-UE)、アクリルシリコン樹脂エナメル塗り(2-ASE)、弱溶剤系アクリルシリコン樹脂エナメル塗り(LS2-ASE)、常温乾燥形ふっ素樹脂エナメル塗り(2-FUE)、弱溶剤系常温乾燥形ふっ素樹脂エナメル塗り(LS2-FUE)、合成樹脂エマルションペイント塗り(EP)、つや有合成樹脂エマルションペイント塗り(EP-G)、ポリウレタンエマルションペイント塗り(UEP)、多彩模様塗料塗り(EP-M)の14仕様。

一方、アクリル樹脂ワニス塗り(AC)、アクリル樹脂エナメル塗り(AE)、塩化ビニル樹脂エナメル塗り、2液形エポキシ樹脂エナメル塗り、合成樹脂エマルション模様塗料塗りはJISの統廃合に伴い廃止した。

2-UEはJIS K5656(建築用ポリウレタン樹脂塗料)の廃止に伴い、JIS K5658(建築用耐候性上塗り塗料)へ材料規格を見直し。LS2-UEもJASS18 M-406(弱溶剤系2液形ポリウレタンエナメル)からJIS K5658へ変更。LS2-ASEは、JASS18 M-404(アクリルシリコン樹脂エナメル)からJIS K5658へ変更した。

LS2-ASEはアクリルシリコン樹脂エナメル塗りに準じた弱溶剤系仕様として新設。2-FUEは、学会規格を廃止し、JIS K5668に材料規格を変更。LS2-FUEは常温乾燥形ふっ素樹脂エナメル塗りに準じた弱溶剤系仕様を新規に追加した。
多彩模様塗料塗りについては、JISK5667(多彩模様塗料)が廃止予定にあるものの、JIS廃止後も製品が供給され、かつ代替仕様がないことから存続することとなった。
また素地調整に用いる材料についてもJIS廃止に伴い見直しを実施した。

存続するのは、EE(合成樹脂エマルションシーラー及びパテ)、RE(反応形合成樹脂シーラー及び合成樹脂エマルションパテ)、RR(反応形合成樹脂シーラー及びパテ)、EC(合成樹脂エマルションシーラー及びセメント系下地調整塗材)、ED(合成樹脂エマルションシーラー及び合成樹脂エマルション系下地調整剤)。
SE(合成樹脂ワニス)、SS(合成樹脂ワニス)、RS(合成樹脂パテ)は廃止となった。

◇木質系素地面塗装
木質系素地面塗装の適用仕様は、1液型油変性ポリウレタンワニス塗り(1-UC)、2液形ポリウレタンワニス塗り(2-UC)、クリヤラッカー塗り(LC)及び2液形ポリウレタンクリヤラッカー塗り(2-ULC)、ステイン塗り(ST)、木材保護塗料塗り(WP)、合成樹脂調合ペイント塗り(SOP)、合成樹脂エマルションペイント塗り(EP)、つや有合成樹脂エマルションペイント塗り(EP-G)の8仕様。

フタル酸樹脂ワニス塗り、アクリルラッカーつやなしクリヤー塗り、フタル酸樹脂エナメル塗り、ラッカーエナメル塗りの4仕様は廃止となった。中でもフタル酸樹脂エナメル塗りはJISが存在するものの、パテがなくなっているため仕様としての存続ができなくなったことが廃止の要因となった。

1-UCは、塗装種別をA種、B種とし、目止め、着色は通常実施しない工程作業として変更。2-UCは、目止め着色下塗りと工程を入れ替えた。
WPは、JASS18 M-307(木材保護塗料)を変更し、カビ抵抗性試験を追加、試験用素地も米松からスギの柾目に変更した。更に塗付け量も改定し、下塗り、上塗り1回目を0.08kg/以上から0.06kg/以上へ、上塗り2回目を0.06kg/以上から0.04kg/以上へ変更した。
SOPは各種パテの廃止に伴い製造が廃止されていることから、一般的な仕上げの1種類とした。
EPは下塗りパテかいに工程を入れ替え。EP-Gは、平滑性を付与するパテかいの有無に応じて塗装種別をA種、B種の2種類とした。

◇日本建築学会材料規格(JASS)
JISの統廃合に伴い、JASS規格についても改定を行った。
JASS18 M-110(不飽和ポリエステルパテ)は、不飽和ポリエステル樹脂パテから名称を変更。
同M-112(エポキシ樹脂雲母状酸化鉄塗料)は、JIS K5555の廃止により新規に制定。

同M-201(反応形合成樹脂シーラー及び弱溶剤系反応形合成)は、反応形合成樹脂ワニスから名称変更。
同M-203(2液形着色ポリウレタンワニス)は着色アクリル樹脂ワニス仕様の廃止に伴い、着色合成樹脂ワニスから名称変更。
同M-204(つや有合成樹脂エマルションペイント用下塗り塗料)は、つや有り合成樹脂エマルションペイントから名称変更。
同M-307(木材保護塗料)は、品質項目にかび抵抗性試験を追加。
同M-308(セラックニス類)はJIS K5431廃止に伴い新規に制定。

同M-404(アクリルシリコン樹脂塗料用中塗り)は、アクリルシリコン樹脂エナメルがJIS K5658に統合されたことから名称変更。弱溶剤系アクリルシリコン樹脂塗料用中塗りを追加。

同M-405(常温乾燥形ふっ素樹脂塗料用中塗り)は弱溶剤系常温乾燥形ふっ素樹脂塗料用中塗りを追加した。
一方、JASS18 M-107(多彩模様塗料金属系素地用下塗り塗料)、同M-202(合成樹脂パテ)、同M-208(弱溶剤系反応形合成樹脂ワニス)、同M-303(アクリルラッカーつやなしクリヤー)、同M-406(弱溶剤系2液形ポリウレタンエナメル)は廃止した。

またヒートアイランド対策、省エネ技術として注目を集めている高反射率塗料塗り(HRP)を付録に収録した。
 一般的な工程は、下塗り1回、中塗り1回、上塗り1回下塗り1回、上塗り2回下塗り1回、中塗り1回、上塗り2回の3種。
材料規格として、下塗り用塗料は亜鉛めっき鋼向けにJASS18 M-109(変性エポキシ樹脂プライマー)、スレート向けにはJASS18 M-201(反応形合成樹脂シーラー及び弱溶剤系反応形合成樹脂シーラー)。

中塗り用塗料は屋根用高日射反射率塗料(中塗り)、上塗り用塗料はJIS K5675(屋根用高日射反射率塗料)と定めた。今回、JASSに採用しなかった理由としては、改修工事の適用が多い一方、屋根材に多く使われている波板スレートの片面塗装は材料の反りなどの異常を発生するおそれがあることから素地の種類として対象外としていることが背景にある。

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